君の腋を舐めたい
『あそこで動いてる【黒い影】
・・分かるか?』
屋上から見下ろすセイズ署の敷地。
玄関入り口・・・・正門・・・。
・・・・・・!?
正門を抜けて、敷地外に出て少しの所。
電信柱の近く・・・・・。
「・・ホントだ・・。」
「誰か居ますね。」
『ここ1ヶ月ぐらいになるな。
ちょくちょく現れてる。』
「なんですかあれ・・?」
『【若い女】だ。ああやって夕方や夜になるとやって来ては、
出入り口が見える場所でコソコソと張ってやがる。』
「何者か分かりますか?」
『いいや。俺も敷地内ギリギリまで近づいて確認したが、
警察や犯罪とは無縁そうな、小綺麗な格好してる可愛らしいお嬢様だよ。』
「「・・・・・・・・。」」
『・・あ!パイオツはかいでーだったけどな!グハハハ!』
「加賀ちゃん。悪いけど不審者に構ってる暇はありません。
水沢巡査長の件が解決したら、
あの女性に職質しておきます。」