君の腋を舐めたい


「だから絶対に俺に協力すると踏んでた。

初めて会った時から“こっち側”の人間だと確信した!!

あの女にアサミさんの体を与えて、
欲望を叶えさせてやったんだぜ?

だから見返りに後処理をさせて、死体さえ始末すれば俺達の行いが露見する事は無い。

・・これのどこが“脅し”だ!?」


「君の思考回路は残念ながら私には理解できません。」


「・・・・・・・。」


「セイラさんと言い、
協力者さんと言い、
あなたと言い・・

理解に苦しむ異常者が多すぎて、
胸焼けしてきました。」


「豊川さんよぉ。約束は反故にするなよ?

俺はアサミさんの身柄をあの女に預けただけだぞ?

アサミさんとは合意の上でヤッた。

監禁ぐらいは認めてやるが
殺人未遂ならサンエダだ!!」



「・・・・・・・・何の話ですか?」


「は・・・・・?」


「あ~福留君。

私は君の“アサミさんは既に死んでる”という言葉を信じてあの交換条件を出したんですよ?

“死人に口なし”だと思ったからあの取引は成立できると思ったんですよ?

彼女が生きてるなら、彼女自身の証言が採用されるに決まってるでしょう?」


「何言ってる・・・?」


「当事者の証言を誤魔化すのは不可能です。

水沢巡査長が回復したら、
彼女の証言を基にあなたを罰します。」


「・・・・謀ったのか・・・・?
謀ったのか豊川ぁ!!?」


「謀ったのはそっちだろ小僧。」


「!?」


「“アサミさんは死んでる”んだろ?
残念だったな生きてて。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・ゴホッゴホッ!
あ・・失礼しました。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・。」


「・・最初から分かってたのか・・?」


「はい。」


「アサミさんは生きてると確信があったから・・“後で破る”筋書きも込みで・・

あんな出任せの交換条件を持ち出したのか!?」


「はい。」


「・・・・・・・・・・・。」


「“何故、水沢巡査長は死んでいないと確信が持てたのか?”聞きたそうな顔ですね。」


「・・・なんでだ・・・・?」


「簡単な話です。」


「・・・・・・・・・・。」



「私も星野君も、あなた方から見たら、
【異常者】だからですよ。」







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