君の腋を舐めたい
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一時的な避難場所となるビジネスホテルへリサちゃんを送り届けた後、
渡していた“封筒”と“写真”の結果を聞きに、
鑑識班の作業場へと赴いた。
「ごめんね長くん。
忙しい合間縫ってもらって。」
「指紋調べるぐらいっすから、
問題なしっす。」
福ちゃんや刑事課のヨシトよりも歳下ながら、ここセイズ署の鑑識班を率いる、
“長くん”こと長野君から、
鑑識結果を受け取る。
「空振りかぁ・・・。」
「残念ながら相談者の女の子以外の指紋は検出できなかったっす。
まぁこのストーカーさんも、
アホではないって事っすかね。」
「そんな簡単にはいかないってワケね。
ありがとう。」
「あ!そういえばアサミ姐やん、相変わらず刑事課とバチバチらしいっすね。」
「なに?鑑識班にまで話が届いてるの?」
「あんまりオレが出しゃばる事じゃないっすけど、そんな目の敵にしなくて大丈夫っすよ。」
「ふーーーん。
長くんは向こうの味方ってワケね。」
「オレは両方の味方っす。」