君の腋を舐めたい


「被害者の安否が分かるのをずっとここで待ってたんですか?」


「亡くなったら、窃盗に加えて傷害致“死”が加わりますからね。」


「・・・・どういう事?」


「“死人”が出たら、私も捜査に協力出来る事があるかもしれません。」


「・・・・意味分かんない。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・豊川刑事は・・・
死人が出ないと動かないんですか?」


「はい。それ以外では私はただの足手まといです。」


「・・いつも“何か起こってから”動く、
気楽な刑事課さんらしい一言ね。」


「そういう意味では、“未然”に事にあたり、

実際に“何も起こさせない”水沼巡査長たち生活安全課の皆さんにはいつも頭が下がります。」


「・・・・・・・水沢です。」


「ゴホッゴホッ失礼しました。」


「・・・私・・やっぱりあなたの事、
生理的に受け付けない。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「なによ・・死人が出てから動くって・・。

残念でしたね?お婆ちゃん助かって。

事件が大きくならなくて、
点数稼ぎ出来なくて残念でしたね!!?」


「・・・・・・・・・・・。」





何も言い返してこないのが余計に腹が立つ。

あっという間に短くなった煙草を灰皿に押し付けて、足早に館内へ戻・・


「水沢巡査長。」


「・・・。」


「あなた方、生活安全課が私達の事を敵視するのは構いませんが・・。」


「・・・・・・・・・・・。」


「私達はあなた方を敵視したことは一度もありません。

何か困った事があったらいつでも相談してください。」


「・・天地がひっくり返っても・・
・・・・あり得ません。」





























 


 


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