君の腋を舐めたい
第4章
第4章
水沢アサミ
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「え!?女が犯人!?」
「あくまで可能性。
長くんの見解にあった通り、ドアノブの悪戯は女性でも出来るっていう事。」
「まぁ確かに・・。リサちゃんが拭き取っちゃった今となっては、
本当に精液だったのか分かりませんからね・・。」
静岡大学のキャンパス。
近すぎず、遠すぎない場所に車を停めて、
そこを行き交う学生達の様子を見守る。
「お、リサちゃん無事に登校っと。」
「やっぱり・・あんまり眠れなかったのかな・・。顔つきは暗いままだね。」
「・・・・・・お!アサミさん。
あの子ですよ。」
福ちゃんが指を指した先。
なんだかリサちゃん以上に・・
トボトボと一人歩く女の子。
「え~っと名前は“サンエダ”・・。」
「“サエグサ”。」
「え・・・・・。」
「“三枝”って書いて“サエグサ”って読むの。
福ちゃん漢字苦手だっけ?」
「俺はどっちかと言うと理系ですからね。
え~っと改めまして名前は【三枝チヅル】
リサちゃんと同じ学部に通う同級生です。」
「・・・・・・・・・・・。」
「あの子が・・レズかぁ・・。
人は見た目では分かりませんね。」
「“同性愛者”を否定するつもりも、
肯定するつもりも無いけど、
確かに見た目は普通の女の子だね・・。
リサちゃんが驚いたのも無理ないよ。」
「三枝さんもリサちゃんと同じで、大学進学を機に地方からこっちに出てきた子です。
リサちゃんにとっては、
数少ない“友達”・・だったのかなぁ・・。」