君の腋を舐めたい
――――――
「いらっしゃいませ~。
お一人でしょうかぁ~?」
「はい。」
「あちらのお席どうぞ~!」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
恐らくバイト仲間と思われる女の子の案内を受けて席に座る際、
他のテーブルを拭いていたリサちゃんと目を合わせて軽く会釈する。
そのまま席に着いたところですぐにLINEを起動して・・
「準備完了。」
<アサミさんの私服姿見るの、ひょっとして課内で俺が初めてじゃないっすか?>
「余計な事は気にしなくていいから。
今のところ動きは?」
<まだ今のところ来店してませんね。>
一足先に店内に潜入して、私と対角線上の席に座る福ちゃんとメッセージ交換をする。
慎重に慎重を期して、
私は私服に着替えて“暇そうな女”を。
福ちゃんはスーツ姿のままで、
“一息つくサラリーマン”に。
それぞれシングル客として店内に入って、
問題の男を待ち構えていた。