君の腋を舐めたい


―――――― 


「いらっしゃいませ~。
お一人でしょうかぁ~?」


「はい。」


「あちらのお席どうぞ~!」


「・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」


恐らくバイト仲間と思われる女の子の案内を受けて席に座る際、

他のテーブルを拭いていたリサちゃんと目を合わせて軽く会釈する。


そのまま席に着いたところですぐにLINEを起動して・・


「準備完了。」


<アサミさんの私服姿見るの、ひょっとして課内で俺が初めてじゃないっすか?>


「余計な事は気にしなくていいから。
今のところ動きは?」


<まだ今のところ来店してませんね。>


一足先に店内に潜入して、私と対角線上の席に座る福ちゃんとメッセージ交換をする。


慎重に慎重を期して、
私は私服に着替えて“暇そうな女”を。

福ちゃんはスーツ姿のままで、
“一息つくサラリーマン”に。


それぞれシングル客として店内に入って、
問題の男を待ち構えていた。


< 45 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop