君の腋を舐めたい


「福ちゃんなにそれ?」


<日経新聞です!>


「逆にわざとらし過ぎない?」


<ノートPC広げて日経読みながらコーヒーを飲む。

どこからどう見ても外資系イケイケリーマンです!>


「ごめん。ちょっと笑えてくる。」


<アサミさんは文庫本ですか?>


「よく分かんなかったけど、
適当に本屋さんで買ってきた。

又吉直樹の“劇場”。」


<アサミさんが読書なんて・・笑えてきますね。>






“カラン カラン”


「いらっしゃいませ。」

「こんにちは。」


「!?」
<!?>


「いつものお席ご案内しますね。」

「ありがとう。」



新しく来店した客。応対するリサちゃん。


“いつものお席ご案内しますね”と言った後に、

さりげなくリサちゃんの背中に手を回して“ありがとう”と微笑む男。



「あれだね。」


<リサちゃんから聞いていた外見の特徴とも一致します。

あれが常連客の【藤子さん】

苗字しか知らないそうなので、名前・・それと本名かどうかも分からないそうです。>


「・・・・・・・・。」

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