君の腋を舐めたい


<来ましたよ。>


「会話から何か掴めるかもしれない。
耳すましてよ~~~く盗み聞きするよ。」


<了解です!>


コーヒーを持ってきたリサちゃんが藤子に近づく瞬間、一気に聴覚を研ぎ澄ます。


「お待たせしました。
ホットコーヒーになり・・・。」



“カラン カラン”


「いらっしゃいませ~。
お一人でしょうかぁ~?」



・・・・・え・・・・?
って!!!?


「!!!!!???」





「あ、営業中にすみません。
僕こういう者でして。」


「え・・警察・・ですか?」


「セイズ署刑事課の星野と申します。

実は、昨日発生したひったくり事件について、重要参考人と思われる人物を探していまして。

こちらの写真の男・・このお店で見かけたりした事ありませんでしょうか?」




「ヨシト!!!?」
<嘘!?星野君!!?>



・・・・やばい!!


「福ちゃん!顔隠して!!」
<御意!!!!>


日経新聞を思いっきり広げて隠れる福ちゃんを横目に・・・

・・・文庫本ちっちゃすぎる!!!!


慌てて俯いて、机に突っ伏す勢いで文庫本を少し高めに掲げる。


何でこのタイミングで刑事課が現れるのよ!!

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