君の腋を舐めたい


「僭越ながら、一ついいですか?」


「・・・・どうした?」


「僕たち刑事課は、“人”ももちろん追及しますが、“物”・“現場”も徹底的に追及します。」


「・・・・・・?」


「道路に残されたブレーキ痕。
進入経路から逃走経路。

何故犯人はこの場所でひったくりを企てたのか。

被害者のお婆さんが必死に生死と戦っている中、

“人”に話を聞かずとも、僕達は“物”・“現場”から拾える情報を拾って、

最後のピースとして、お婆さんの証言を当てはめてパズルが完成しました。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「水沢さん。相談者の子や容疑者候補の話ももちろん大切だと思いますが、

【手掛かり】はそれだけじゃないと思いますよ?」




「ヨシト・・・・。」


「はい。」


「・・・私に説教するなんてあんたも偉くなったわね!!」


「痛い!!」


「アハハ。でもありがと!
お陰で・・取っかかりが増えた!」


「お役に立てて良かったです。

ついでに・・豊川さんからの伝言もお伝えしてもいいですか?」


「・・・・・・は!?」


「[生理的に受け付けてもらえない私の代わりに君から伝えてください]って・・

ジブリの名言集を超早口で呟きながら言ってましたよ。」


「ちょっとよく意味分かんないけど・・
あのジジイはなんて?」






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