君の腋を舐めたい
「・・あ、そういえば常連客の藤子。
何か分かった?」
「・・・あ!報告忘れててすみません。
アサミさんの読み通り、珍しい苗字だったのですぐに一致しました。
名前は【藤子サトル】36歳。
職業はフリーのWebデザイナーでした。」
「ある意味、時間に縛られないというか・・
リサちゃんのシフトに合わせて自由に来店できる職業か・・。」
「いいなぁ・・勤務時間が決まって無くて自由なんて・・。」
「あら?私達もそういう意味だと、
わりと自由な職業じゃない?」
「休みは全く取れないっすけどね(T^T)」
“カラン カラン”
「ちょっとあなた方!!?」
「「・・・・?」」
お店の前のガラス張り。
福ちゃんと喋っていると・・店内からエプロンを着けた40代ぐらいの男性が出てきた。
「ここで何してるんですか!?
バイトの子達から“店内にカメラを向けてコソコソ話する男女がいる”って報告を受けました。」
あ・・・ヤバい。
“許可”というか・・
“挨拶”しておくべきだったよね・・。
「お騒がせして申し訳ございません。
私達・・こういう者です。」
「・・・!?・・け、警察・・?」
「セイズ署生活安全課の水沢です。」
「同じく、福留です。」
「あ・・え・・・え・・?
え・・え~っと・・ご用件は・・?
私の店で何か・・?」
「“私の店”・・って事はひょっとして店長さんですか?」
「はい。店長の藤村です。」
「「・・・・・。」」
福ちゃんと目を合わせる。
込み入った話だし、リサちゃんのバイト勤務中の“管理者”にあたる人物だし、
この人にはキチンと説明しておいたほうがいいね。