君の腋を舐めたい
「桜の代紋に正義を誓ったからには、
“犯罪者を捕まえる事”を最優先に私は動く。
だから・・いざという時の判断力が鈍らない為に・・
みんなとはこれ以上仲良くなりたくない。
同じ志を持つ大切な仲間だからこそ、
冷酷に見捨てて、
犯罪者を捕まえなきゃね。」
「でもアサミさん。
俺達・・生活安全課ですよ?
そんな命の危険にさらされるというか・・
究極の選択を迫られるシチュエーションなんて無いような・・。」
「コラッ。警察官である以上、どこの部署にいてもいつ何時そういう事態に陥っ・・。」
「どけどけぇ!!!!」
「「・・・え・・・?」」
福ちゃんと並んで歩く署までの帰り道。
いきなり後ろから男の怒声が聞こえ・・
“ドンッ!!”
「うぉっ!」
「ちょ・・何やってるのあんた!」
振り返ったと思ったらすぐ目の前に、
凄まじい勢いでこちらへ走ってくる男。
帽子を目深に被って、
チャラチャラした革ジャンを羽織っていたその男が福ちゃんと思いっきりぶつかる。