俺様外科医との甘い攻防戦
考えても答えの出ない問いは、病院に着いても頭をぐるぐると回る。
久城先生の今日の予定をチェックすると、朝から長時間の手術だった。
頭蓋底手術。
院内でも難しい手術で、頭蓋底腫瘍を取り除く。
脳神経外科と形成外科のスペシャリストばかりでチームを組み、8時間にも及ぶ手術に挑む。
前の手術のときに話題になっていたため、ある程度の知識はある。
久城先生は若いのに、助手ではなく執刀医なのがすごいと、看護師が騒いでいたのは記憶に新しい。
難しい手術のため、同じ手術に成功した医師を選び、転院してくる患者の気持ちもわかる。
そのため、難しい手術であるのにも関わらず、都波中央総合病院では定期的に行われている手術だ。