俺様外科医との甘い攻防戦

 そんなに大変な手術を控えていたなんて。
 なにも当直の次の日を手術日にしなくても……。

 いや、こんなの八つ当たりだ。
 自分こそ、少し落ち込んだからって、久城先生に寄りかかり過ぎている。

 明日は大変な手術ですよね? と、譲らずに仮眠室で休んでもらえばよかった。

 そこまで考えて、久城先生の顔が脳裏に浮かぶ。

「大変な手術があるからこそ、陽葵と一緒に寝たいんだ」
 勝手に脳内変換されたセリフが、久城先生の映像付きで流れる。

 やっぱり気持ちを伝えよう。
 その上で、久城先生がどう思っているのかを聞こう。

 そう決心をして、リハビリの準備を始めた。
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