俺様外科医との甘い攻防戦

 恥ずかしさよりも、寄せては返す波のような快楽に押し流され、我慢しきれない嬌声が漏れる。

「もっと、声、聞かせて」

 フルフルと首を横に振ると、耐えきれない刺激を与えられ、悲鳴にも似た声を上げる。

「かわいい陽葵。全部俺のものだ」

 愛の囁きも、今は胸が痛いだけ。
 聞いているのがつらくて、言葉を塞ぐように自ら唇を重ねる。

 夢中でキスをして、目の前の欲情になにも考えられなくなっていく。

 どれほど官能に溺れていたのか、ぼんやりと霞む視界の中で、久城先生は煩しそうにネクタイを緩め、解いている。
 ジャケットに、ベストに、シャツと、次々に脱ぎ去って、私をベッドに押し倒した。

「陽葵がほしい」

 切なげな表情を浮かべ、今一度唇を重ねる。

 そこから気が狂いそうになるほどの快楽を与えられ、必死に久城先生にしがみつく。

「イッ……」

 痛い。すごく痛い。
 でも、ダメ。このまま……。

 異物感を感じ体を固くさせる私の肩に、優しく唇が触れる。

「息を吐いて。痛い思い出にはしたくない」

 知られて、しまった。
 ショックを感じつつも、久城先生の腕にしがみつく。
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