俺様外科医との甘い攻防戦
「仕事を始めてからは、そもそもゆっくり食べる暇もないから、コンビニで食べたり、外食でどうにかしていた。だから、陽葵が来る前に、料理人がいたわけではないんだ。涼介は話のきっかけに、言い出しただけで」
そもそもが、医師と作業療法士。
友達に『玉の輿だね!』とからかわれるくらい、恐れ多くて。
医師の上にお坊ちゃんだなんて、なにをどうしたらいいのかわからない。
「あの、この話、持ち帰らせてもらえませんか?」
顔を暗くさせ、「俺、今日は病院の仮眠室に泊まるよ」と、席を立つ。
「それはダメです。一緒じゃないと眠れないって、久城先生仰っているじゃないですか。それなのに、追い出すような真似……」
力なく、もたれかかるように体を寄せられ、「まっ、待ってください。潰れます!」と声を上げる。