俺様外科医との甘い攻防戦

 知らぬ間に眠っていたのか、間の記憶が抜け落ちている。
 とにかく、今は眠い。

 心地よいぬくもりに手を伸ばし、顔を埋める。

「悪い。起こしたか」

 寝ぼけてよく考えもせずに、思ったままを口にする。

「ん。どうしたの?」

 伸ばした手に応え、頬を撫でられる。
 その手に擦り寄って、寝心地のいい場所を探す。

 いい匂い。すごく落ち着く。

「急な呼び出しがあって、患者の容態を診てきた。よく寝ていたみたいだな。まだ、夜は深い。おやすみ」

「ん」

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