俺様外科医との甘い攻防戦
小洒落た洋風居酒屋の席に座り、軽々しくついてきた自分を呪った。
歩美と私のほかに女性はあとふたりいて、男性側も4人。
女性はみんな華やかで、ただ髪をひとまとめにしているだけの私とは明らかに気合いが違う。
テーブルを挟み男女に分かれて座った男性側は、身につけているスーツや時計、どれも見るからにハイブランドのもの。
それがどうしてか、胡散臭く見える。
久城先生のスーツ姿を見たせいだろうか。どの人も逆に安っぽく感じてしまう。
久城先生は、もっと……。
気分転換のつもりが、余計に泥沼にはまりそうだ。
どうしてこうも、久城先生のことばかり考えるのか。
周りに合わせ、楽しくもない会話で愛想笑いをする。
ほどほどに飲み会が進んだところで、お手洗いに席を立った。