おねえちゃんのえがお
ぼくは、四つ葉のクローバーを持ってお家に帰った。
「おねえちゃん、ただいま」
そう言ったけれど、おねえちゃんは「おかえり」って言ってくれない。
その代わりに、ドスドスといつもよりおねえちゃんはうるさい足音を立てていた。
「元! 何やってたの、こんな時間まで外で遊んでちゃダメじゃない!」
ぼくを出迎えたおねえちゃんは、すっごくこわい顔でおこっていた。
「ご……ごめんなさい、おねえちゃん」
「本当に良かった……。元が悪い人に連れて行かれたんじゃないかと思うと心配で心配で……」
「おねえちゃん。はい、これ」
ぼくは、おねえちゃんに四つ葉のクローバーを見せた。
「これって……。四つ葉のクローバー?」
「うん、おねえちゃん、もうすぐたんじょうびでしょう? おたんじょうび、おめでとう」
ぼくがそう言うと、おねえちゃんはすごくびっくりした顔になった。