プールのあとはお腹が減る。

「その遊園地……隼人の親父が建ててるだろ? 例の水難事故があった海辺の上に」

悠介は隼人君の方を指差す。

金髪にピアス。見るからに不良だけど、お父さんが大企業の社長で、超がつくほどのお金持ちだ。

「遊園地の建設のために慰霊碑の祠も壊したらしい」
「うそっ、それヤバいでしょ」

事故があった海辺のすぐ近くに、生徒の霊を鎮めるための祠が建てられていた。

どうやらそれを、隼人君のお父さんはアトラクションの邪魔になるからと壊してしまったらしい。

「な、そんなところに行ったら絶対呪われるだろ? ただでさえあの祠は出るって噂だったし」
< 12 / 72 >

この作品をシェア

pagetop