プールのあとはお腹が減る。
「ありがと。みんな…」

麗佳は大輝君達五人の男子に抱えられる。

「ひどい怪我だ…」
「とにかく保健室へ」

……なんだか嫌な予感がする。

私は水の中に潜ると、水面を見上げ、目をあけた。

水中には煙のように血が漂っている。麗佳の方を見ると、あの黒い影が、大きな鉈のようなものを持ち、集まっている。

ーーそっか。

麗佳を生かしていたのも、大輝君を襲わなかったのも、より多くの獲物をプールから誘き寄せるための、罠だったんだ。

すぐに私は水中から顔を出し、叫ぶ。

「みんな逃げて!!! 早く!!」
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