プールのあとはお腹が減る。
生け贄
☆☆☆
どうやら私達を狙っているナニカは、水越しに姿が見えるらしい。
半信半疑だったみんなも、実際に水越しにそれを目にして青ざめた。
「まさかと思うけど、あの影は六十年前に水難事故で死んだ生徒達の霊……ってこと?」
「多分…。だから水難事故がトラウマで水の中へは襲ってこれないんだと思う…」
「そもそもなんで私達を襲うの? 今日が七月二十日だから?」
「それもあるだろうし、あの祠の噂…」
建設中の遊園地の話はみんなもよく知っていた。
「まったく、迷惑な話だ。なぁ隼人」
空手部主将の健二君が皮肉を込めて言う。
隼人君は何も言い返さず、健二君を睨んだ。
「ねぇ、ちょっと考えたんだけど…」
桜がプールの外を指差す。そこには首を失った守山先生の死体がある。
その手には、死後も固く握りしめられた、スマホがあった。
「あれを使えば、外と連絡って取れないのかな?」
それはこの状況で外部に助けを呼ぶ唯一の手段だった。
どうやら私達を狙っているナニカは、水越しに姿が見えるらしい。
半信半疑だったみんなも、実際に水越しにそれを目にして青ざめた。
「まさかと思うけど、あの影は六十年前に水難事故で死んだ生徒達の霊……ってこと?」
「多分…。だから水難事故がトラウマで水の中へは襲ってこれないんだと思う…」
「そもそもなんで私達を襲うの? 今日が七月二十日だから?」
「それもあるだろうし、あの祠の噂…」
建設中の遊園地の話はみんなもよく知っていた。
「まったく、迷惑な話だ。なぁ隼人」
空手部主将の健二君が皮肉を込めて言う。
隼人君は何も言い返さず、健二君を睨んだ。
「ねぇ、ちょっと考えたんだけど…」
桜がプールの外を指差す。そこには首を失った守山先生の死体がある。
その手には、死後も固く握りしめられた、スマホがあった。
「あれを使えば、外と連絡って取れないのかな?」
それはこの状況で外部に助けを呼ぶ唯一の手段だった。