プールのあとはお腹が減る。

シャワーのすぐ隣に先生は倒れている。そこにたどり着くまでたくさんの死体を越えていかなければならない。

「二人で直線に向かってもダメだ。俺は右側、環は左側から行ってくれ」
「うん」

ドキドキと心臓が高鳴る。不思議と怖くないのは悠介も一緒だからだろうか。

健二君が筋肉質な腕で私と悠介の背中を叩く。健二君は部活で怪我をしており、今は走れないらしい。

「男は悠介を、女子は環をサポート。水中に潜り影を視認する役と、大声で伝える役に分けるといいだろう」

拓真は「俺と隼人が潜るよ! 健二は声超でかいし!」と提案する。

隼人は「は? 俺はやんねぇから」と言って、みんなから離れる。

「なんだと?」
健二君が隼人君に食いかかる。

「拓真がいれば十分だろ? それに悠介が死のうが俺には関係ねぇしな」
「お前いい加減にしろよっ!」

喧嘩になりかけた二人を拓真君と桜ちゃんが止めた。

この二人はもとから仲が最悪だ。
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