プールのあとはお腹が減る。

「瑠花と私が指示を出すから、環は信じて前へ進んで」
優愛が私に言う。

「さっきはごめんなさい。私、怖くて気が動転してて、環にこんな危険な役を押しつけるようなことを言ってしまって…」

優愛は目を潤ませる。瑠花にも「ほら、瑠花も」と言って背中を叩く。

瑠花は涙を浮かべ「環~っ! 死んじゃやだよー!」と抱きついた。

二人のこと正直、嫌いになりかけてたけど、

こんな状況になって、クラスのみんなが死んで、きっと、心が限界だっただけなんだ。

「大丈夫。私と悠介が必ず成功させるから」
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