プールのあとはお腹が減る。
「うぐっ!!」

背中に激痛が走る。次は右肩に。

殺される…っ!

このままだと、簡単に首を…

「環ちゃん! しゃがんで!!」

桜の声が響く。咄嗟に屈むと、風のようなものが頭の上を滑る。

「左へ避けて死体の影に隠れて! そう! そのままジャンプして!」

桜の指示に従う。避けると、足元の死体が真っ二つになる。

「悠介君! 今なら先生の周りに影はいないから、早くスマホを取って! 環ちゃんは左へ迂回しながらプールへ!」

女子の中で桜は唯一、残ってくれていた。

指示も的確で、普段の彼女からは想像がつかない。

「環っ! 先に逃げろっ!」
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