プールのあとはお腹が減る。
「環っ!!」

悠介が私を拾い上げる。プールまであと2mだ。

悠介は私を抱えたまま、水へ飛び込んだ。

「悠介!!」
「環ちゃん!!」

間一髪。私達は無事だった。

「大丈夫か!? 環!?」

悠介が私の肩をつかみ、無事を確める。

涙がこみあげてくる。さっき私を助けたときにできたのだろう、悠介の首には細い傷があり、血が流れていた。

多分、あと数センチずれていたら、悠介は…

「悠介……っ!!」

私は子供のように泣いて、悠介に抱きついた。
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