プールのあとはお腹が減る。

隼人君は記憶をたどるように話す。

……そうか。あのおばあさんが事故の生存者だったんだ。

もしかしたら、霊が襲ってきた理由のひとつに、おばあさんのための復讐があったのかもしれない。

「……そうだ。俺はたしかにあの日、二人の人間を殺した。ひとりはあのババア……そしてもうひとりは…」

隼人君はナイフを逆手に持ちかえる。そして、健二君のお腹を切りつけた。

「ぐあっ!」

健二君が怯んだすきに、隼人君は私の方へ走る。
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