プールのあとはお腹が減る。
「環っ!」

隼人君は私の首をつかむと、信じられないほどの力でしめだした。

……く、苦しい。息が。

「なんで? なんでお前が生きてる? お前はあのとき、たしかに…!」

隼人君は意味不明なことを繰り返す。もう片方の手で、ナイフを私の首にかざす。

「やめろっ!!」

悠介が隼人君に飛びかかる。力が緩まり、私は隼人君から逃げる。

「悠介っ!!」
「隼人っ!!!」

二人はもみあい、ナイフが悠介の手に渡る。咄嗟に悠介は、ナイフを隼人君のお腹に突き刺した。
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