プールのあとはお腹が減る。
まるで銃弾のような勢いで、それらは私達めがけて投げ込まれた。
「急いで環っ! 早く排水溝へ!」
夏実が言う。
「フェンスを壊すぞ!」
悠介は水に潜り、錆びかけのフェンスをあけようとする。
何度か息継ぎをするけど、なかなか開かない。
このままじっとしていたら、格好の的だ。
「環ちゃん、私信じてるから」
桜は私の手を握る。
「レイレイと花火大会に行くって約束したの! だからお願い! 必ず“私”やみんなを生き返らせて!」
「桜、まさか…!」
桜はわざと的になるように、影の方へ走っていった。少しでも時間を稼ぐために囮になったんだ。
「よしっ! フェンスがあいたぞ! あとはレバーを引けば、門が開く!」