強虫×妬虫
「やっぱり明菜ってバカだよな。」
後ろの玄関のドアから聞こえる声。
「全部聞こえてたし…。
前にも言ったじゃん。俺が帰ったの確認してから言えってさ。
ま、そこがいいとこなんだけどな。」
ガチャっと開くドア。
「…………っ」
私は涙を慌てて拭い、海斗に背を向けた。今はもう…会いたくなかった。
その途端、海斗の温もりに包まれた。
「はっ離してよっ意味、わかんないよ…」
涙がまた、頬をつたう。
「俺、明菜の素直じゃないとこ好き。」
「…っ!?」
「あとは、
可愛いとこはもちろんだし…
実は寂しがり屋だし
やきもちを隠すとこも
…ってか全部好きなんだよなっ」
「…………うそ。」
「嘘?違うし。俺の想いだよ。」