強虫×妬虫



「やっぱり明菜ってバカだよな。」



どうせ鍵もかけてないんだろ?



「全部聞こえてたし…。
前にも言ったじゃん。俺が帰ったの確認してから言えってさ。

ま、そこがいいとこなんだけどな。」


ノブを引くとやっぱり開く扉。






明菜は涙を慌てて拭い、俺に背を向けた。


その瞬間、俺は明菜を抱きしめた。




「はっ離してよっ意味、わかんないよ…」


涙がまた、頬をつたう。





「俺、明菜の素直じゃないとこ好き。」



「…っ!?」



「あとは、
可愛いとこはもちろんだし…
実は寂しがり屋だし
やきもちを隠すとこも
…ってか全部好きなんだよなっ」


「…………うそ。」


「嘘?違うし。俺の想いだよ。」




全部全部、真実だよ?





< 22 / 25 >

この作品をシェア

pagetop