強虫×妬虫
「どうしたんだよ。」
私を触ろうとする海斗の手を振り払った。
「……、い」
「え、明菜?」
「もういい。今日のデートは中止っ」
にこっと笑った瞬間、こぼれる涙。
強がりって、ばれてませんように…
バタン―…
「ック…うぅ…海斗のばかぁ。
あたしなんかより、あのお姉さんで…
素直な人がいいからってぇ…」
お姉さんに近づくために、化粧だって、服だって…頑張ったのにな。
悔しくて、虚しくて…涙あふれる。
…ううん、違う。
私は、海斗のどんなところも大好き。
可愛いとこも、時間にルーズなとこも
優しいとこも、かっこいいとこも
大大大大好き!
海斗が、好きだから。
けど海斗は…違った。
それがすごくすごく、ショックだったんだ…