強虫×妬虫



「どうしたんだよ。」



私を触ろうとする海斗の手を振り払った。




「……、い」


「え、明菜?」


「もういい。今日のデートは中止っ」



にこっと笑った瞬間、こぼれる涙。
強がりって、ばれてませんように…




バタン―…





「ック…うぅ…海斗のばかぁ。

あたしなんかより、あのお姉さんで…
素直な人がいいからってぇ…」




お姉さんに近づくために、化粧だって、服だって…頑張ったのにな。







悔しくて、虚しくて…涙あふれる。


…ううん、違う。


私は、海斗のどんなところも大好き。

可愛いとこも、時間にルーズなとこも
優しいとこも、かっこいいとこも

大大大大好き!
海斗が、好きだから。











けど海斗は…違った。




それがすごくすごく、ショックだったんだ…

< 9 / 25 >

この作品をシェア

pagetop