遺書
「はぁ⁉︎何してるのよ!」
「今、修理中だから原稿用紙に書いている」
「あー、そうなんだ。早く直るといいね。叔父さん、長編のミステリーを書く事が多いから、管理が大変でしょう?」
「担当の蛇島に丸投げだから気にしない」
「あ、そう…」

叔父さんの大雑把な性格に呆れつつ、私は机の上にある原稿を覗き込む。端に『高瀬透』と叔父さんのペンネームもとい本名が書かれている。

「今度は何を書いているの?」
「小説の続き、ラストで悩んでるんだ」
< 5 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop