遺書
「ど、どうしたんだい?」
「その鞄に入っている手帳、叔父さんとお揃いですか?」

私は蛇島さんに近寄り鞄の中から見えた手帳を取り出す。手に取って分かったが、やはり叔父さんと同じメーカーの黒手帳だった。

「あ、ああ。使い勝手がよくてね。スケジュール管理やメモとして使っているんだ」
「へぇ…」

私は何気ないように振る舞い、手帳をパラパラと捲る。確かに日頃から愛用しているみたいで、びっしりと予定が書かれている。

< 50 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop