遺書
蛇島がボイスレコーダーと黒手帳を持っている手首を掴み、力強く握る。
私が痛みで手放すと、蛇島は足でボイスレコーダーを蹴飛ばし端の方へ滑っていく。
その行為を私が目で追っていると、蛇島の手が私の首元を締め上げる。

「がっ、ぐぅ……」
「君にはここで死んでもらうよ。大好きな叔父の死に耐え切れず後追い自殺をすることにしてね」

両手で蛇島の腕を掴んで抵抗するが、大人の男の力に勝てるわけがない。息をするのも苦しくて頭がぼーっとするけど、私は必死にある表情を浮かべた。そんな私の表情を蛇島は訝しげに尋ねた。

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