遺書
「…何で、笑っているんだ?」
『──そこまでだ。蛇島』

突然近くで男の声が聞こえて蛇島は動揺し、私から手を離す。激しく咳き込みながらも、私は蛇島から距離をとってこの場所唯一の扉の壁にすがる。

「だ、誰だ‼︎」
『もう俺の声を忘れたのか?お嬢ちゃんの方がよっぽど利口だ』

ガチャリとドアノブが回り、スマホを耳に当てて笑う犬丸刑事がいた。

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