遺書
「刑事さん、遅いですよ」
『悪い、悪い。こいつをしょっ引く理由が欲しかったからな』

刑事さんの声が私の方からも聞こえる。私達を交互に見て状況を理解した蛇島さんに私は告げた。

「ボイスレコーダーはフェイク。本命は刑事さんと通話中にしていたスマホの方です」

私はスカートのポケットにしまっていたスマホを取り出し、画面を見せながら言う。
蛇島さんはその場でくずれ落ち、呆然と床を見つめている。そんな蛇島さんに刑事さんは手錠を取り出して側に近付いた。

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