遺書
読者の皆様

私はいくつかの織業から一番性に会った小説家を選んだ。話を書くのは得意だが、世間の評価でこの道で食べていけるか不安だったが徒労に終わった。
辛いにも読者に恵まれて私の小説は高く評価されたと思う。私がここまで書き続けられたのは皆様のおかげだ。
本当にありがとう。
そして私は支えてくれた読者を裏切る形で、この文を書いている。
私はもう小設を書くことが出来ない。
不摂生な生活をしていたせいで、私の頭には新しいトリックも読者の興味をそそる謎も作ることが出来ないのだ。
同誌に記載されている小説が私、高瀬透の最期の小説となる。
私の小説を楽しみにしていた読者には、申し訳ないと思う。
何も出未なくなった私をどうか笑ってくれ。

高瀬透

< 66 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop