お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
そんなある日のこと。

「来週の土曜日の夜はもちろん予定を空けているよな？」

「来週の土曜日の夜ですか？　えっと……あれ？　結婚式の打ち合わせかなんか入ってましたっけ？」

忙しい私たちにとって朝食の場は貴重なコミュニケーションの場になっている。互いの予定や休みを確認したり、結婚式準備の打ち合わせのことについてやり取りをするのが私たちの日課なのだ。

「それは本気で言っているのか？」

薫さんが呆れ顔で盛大なため息をついた。

「すみません。あとで手帳を確認しておき……」

「その必要はない。その日は美月の誕生日だろう？　本人が忘れているとはどういうことなんだ、まったく」

「あ！」

薫さんに言われて気づいた。そうだ、来週の土曜日は私の二十五回目の誕生日だった。忙しさに追われてすっかり頭から抜けていた。

「盛大に祝ってやる。美月にとって忘れられない日にしてやるから楽しみにしておけよ」

何やら悪巧みをしていそうな悪い笑みを浮かべて薫さんがそう言った。
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