お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「本当に貴重で幸せな時間をありがとうございました」

ツパイ島から戻り甘い余韻に浸りながら、私は薫さんにお礼を言った。今日の経験は、私の中で一生の思い出となるくらいに感動的なものだった。

こんな素敵なウェディングドレスを着て、あんな特別な場所で薫さんと永遠の愛を誓うことができるなんて、こんなに幸せなことはないだろう。

どこまでも私の願いや想いを形にしようと薫さんは動いてくれて、その優しさと並外れた行動力には頭が上がらない。

「喜んでくれたならば、俺としても嬉しい。そしてその綺麗な美月の花嫁姿をもっとたくさんの人に見てもらいたいと心から思う」

「日本に帰ったら、ここで撮ったウェディングフォトとムービーを両親や紗希に見てもらいたいと思います」

「その必要はない。今、この時を生で見てもらえばいいじゃないか」

「え?」

「さぁ行くぞ」

薫さんの発言の意味も分からないまま、私の手を取り歩き出した薫さんの背中を見つめる。
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