お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
それから二日後、その日は薫さんが海外出張から帰ってくる日だということもあり、朝から気分が高揚していたが、あまり体調はよくなかったりする。

事務所に出勤してから何度か目眩に襲われて、仕事を中断させることもあるが、今日は午後から私が担当する法律相談が何件か入っているため、少しばかり無理をしてしまっている。

「大丈夫か? なんだか顔色が悪いように見えるが」

私の指導係である東條先生が心配そうに顔を覗く。

「なんだか今朝からちょいちょい目眩に襲われているんですよね。あ、でも元気なので大丈夫ですから」

「そうか? 無理はするな。具合が悪いならば午後からの法律相談は他の先生に代わった方がいいんじゃないか?」

「そうですね。どうしても目眩が治らない場合は早めに事務員の方に伝えてスケジュール変更してもらいます」

「ああ。その方がいいと思う」

「お気遣いいただきありがとうございます。それでは私は今から裁判所に向かいますね」

「気をつけてな」

「はい」

デスクの上の資料を片付けて、椅子から立ち上がった。
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