お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
それからどのくらい時間が流れただろうか。誰かの話す声が聞こえて、私はゆっくりと目を開けた。
まだぼんやりとする意識の中、目に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
「……んっ」
いまだに頭は働かなくて思わずそんな唸り声をあげる。
「美月、意識が戻ったのね。体調はどう?」
聞き覚えがある声がして意識がそちらへと動く。そこにいたのは白衣姿の母だった。
「お母様……? ここは、どこなの?」
「華村病院よ」
「え? お父様の病院?」
「ええ。あなた仕事場で貧血を起こして倒れたのよ。それでうちの病院に運ばれたの。東條先生がさっきまで付き添ってくれていたのだけど、お仕事もあるだろうから私が代わったの」
「……」
「東條先生が意識を失ったあなたを咄嗟に抱き抱えてくれたから、美月は怪我をせずに済んだのよ。さすが東條先生ね。あとでちゃんとお礼を言いなさいね」
「はい。そうします」
東條先生に多大なる迷惑をかけてしまったことを知り、気持ちが沈んでいく。こんなことになるならば、無理はしないで最初から東條先生の言うことを聴けばよかったと後悔が襲ってきた。
「美月、あなたに伝えなければいけないことがあるの」
と、気持ちが沈んだままの私に向かって母がそんなことを言うから、これは何事かとつい身構えてしまう。
「もしかして私なにか悪い病気なの? 今までこんな風に倒れたことなんて一度もなかったわ」
不安が頭を過り、咄嗟にそんな質問を口にした。
まだぼんやりとする意識の中、目に飛び込んできたのは真っ白な天井だった。
「……んっ」
いまだに頭は働かなくて思わずそんな唸り声をあげる。
「美月、意識が戻ったのね。体調はどう?」
聞き覚えがある声がして意識がそちらへと動く。そこにいたのは白衣姿の母だった。
「お母様……? ここは、どこなの?」
「華村病院よ」
「え? お父様の病院?」
「ええ。あなた仕事場で貧血を起こして倒れたのよ。それでうちの病院に運ばれたの。東條先生がさっきまで付き添ってくれていたのだけど、お仕事もあるだろうから私が代わったの」
「……」
「東條先生が意識を失ったあなたを咄嗟に抱き抱えてくれたから、美月は怪我をせずに済んだのよ。さすが東條先生ね。あとでちゃんとお礼を言いなさいね」
「はい。そうします」
東條先生に多大なる迷惑をかけてしまったことを知り、気持ちが沈んでいく。こんなことになるならば、無理はしないで最初から東條先生の言うことを聴けばよかったと後悔が襲ってきた。
「美月、あなたに伝えなければいけないことがあるの」
と、気持ちが沈んだままの私に向かって母がそんなことを言うから、これは何事かとつい身構えてしまう。
「もしかして私なにか悪い病気なの? 今までこんな風に倒れたことなんて一度もなかったわ」
不安が頭を過り、咄嗟にそんな質問を口にした。