お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「悪い病気とかではないから安心しなさい。今回あなたが急に倒れたのは、鉄欠乏性貧血を起こしたからよ」

「鉄欠乏性貧血？」

「妊娠している女性に起こることが多いの。美月は気づかなかったようだけど、あなたが倒れてからいろいろ検査をして分かったことがあるの。美月、あなた妊娠しているわ。ちょうど六週目に入ったところよ」

「え？　妊娠？　赤ちゃんが私のお腹にいるの？」

母の口から語られた衝撃的な事実に、心音がドクンッと高鳴って身体が熱くなっていく。

「ええ。あなたお母さんになるのよ。おめでとう」

母がベッドに横になる私の手をギュッと握り柔らかく笑う。その目は心なしか潤んでいるように見える。

まさかの事実を母に伝えられて非常に驚いたが、徐々に嬉しさがひしひしと込み上げてきて、いつのまにか頰を涙が伝っていた。

「これからは元気な赤ちゃんを産むためにも、ちゃんと自分の身体を労わらないといけないわね。産婦人科医として美月をばっちり支えるから安心してマタニティライフを楽しみなさい」

母のそんな頼もしい言葉にコクンとうなずき、そっと自分のお腹に手を伸ばした。
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