お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
戸惑う私の頰を九条さんが優しく撫でる。あまりに至近距離にある九条さんの綺麗な顔。まさかの九条さんの行動に私が動揺しないはずがない。頰はりんごのように真っ赤に染まり、視線も定まらない状態だ。なんだか頭までクラクラしてきたような気がする。
「その反応からすると、おまえ男を知らないな?」
ニヤリと九条さんが笑う。
「わ、私だって、お付き合いくらいした経験はありますから!」
見栄を張ってそう言い返したけれど、九条さんは明らかに信じていないように見える。
「まぁ、いい。この俺が手取り足取り教えてやる」
クイッと私の顎を強引に上げて、九条さんがそう言った。
「九条さん……?」
「華村美月、おまえの心と身体に俺という存在を深く刻み込んでやるから覚悟しろ」
「……っ⁉︎」
そんな言葉と同時に私の前に影が落ちた。唇に感じるのは柔らかく温かい感触で、胸の鼓動が一気に高鳴った。
「これで見合い成立だ」
私の唇を解放した九条さんが悪そうな笑みを浮かべながら、放心状態の私に向かってそう言い放った。
今まで守り続けたファーストキス。それはいとも簡単に目の前の強引で自信家な男に奪われ、そして、この日を境に私の平穏な生活は幕を閉じることになったのだった。
「その反応からすると、おまえ男を知らないな?」
ニヤリと九条さんが笑う。
「わ、私だって、お付き合いくらいした経験はありますから!」
見栄を張ってそう言い返したけれど、九条さんは明らかに信じていないように見える。
「まぁ、いい。この俺が手取り足取り教えてやる」
クイッと私の顎を強引に上げて、九条さんがそう言った。
「九条さん……?」
「華村美月、おまえの心と身体に俺という存在を深く刻み込んでやるから覚悟しろ」
「……っ⁉︎」
そんな言葉と同時に私の前に影が落ちた。唇に感じるのは柔らかく温かい感触で、胸の鼓動が一気に高鳴った。
「これで見合い成立だ」
私の唇を解放した九条さんが悪そうな笑みを浮かべながら、放心状態の私に向かってそう言い放った。
今まで守り続けたファーストキス。それはいとも簡単に目の前の強引で自信家な男に奪われ、そして、この日を境に私の平穏な生活は幕を閉じることになったのだった。