お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
果たして薫さんのことを意識せずに同じ空間でいられるだろうか。紗希の言葉が頭の中でぐるぐると駆け巡る。それでも、やはり食べてみたい。その欲求には勝てなかった。
「手洗いうがいを済ませたら、皿を用意してきます。飲み物はブラックコーヒーでよかったですか?」
「ああ。頼む」
それからしばらくしてダイニングテーブルに向かい合って座り、ミルフィーユを食べ始めた。チラチラと薫さんの様子を窺いながら、ミルフィーユを口に運ぶ。
パリパリのパイと甘さ控えめなクリームの中にたっぷりの苺と甘めなバナナが敷き詰められていて、その魅惑のハーモニーに思わず笑みが溢れた。
「美月は分かりやすいな」
「え?」
「ずいぶんと幸せそうな顔をして食べている。甘い物が好きなのか?」
「あ、はい。私、ケーキの中で一番ミルフィーユが好きなんです。だからここのお店のミルフィーユを食べられて嬉しくて……」
美味しくてついつい饒舌になる私は実に単純だ。さっきまで紗希に言われたことをあんなにも気にしていたのに、今やミルフィーユのことで頭がいっぱいなのだから。
「そうか。俺もケーキの中でミルフィーユが一番好きなんだ。というか、甘い物は全般苦手だが何故かミルフィーユだけはうまいと感じる」
「そうなんですか?」
「手洗いうがいを済ませたら、皿を用意してきます。飲み物はブラックコーヒーでよかったですか?」
「ああ。頼む」
それからしばらくしてダイニングテーブルに向かい合って座り、ミルフィーユを食べ始めた。チラチラと薫さんの様子を窺いながら、ミルフィーユを口に運ぶ。
パリパリのパイと甘さ控えめなクリームの中にたっぷりの苺と甘めなバナナが敷き詰められていて、その魅惑のハーモニーに思わず笑みが溢れた。
「美月は分かりやすいな」
「え?」
「ずいぶんと幸せそうな顔をして食べている。甘い物が好きなのか?」
「あ、はい。私、ケーキの中で一番ミルフィーユが好きなんです。だからここのお店のミルフィーユを食べられて嬉しくて……」
美味しくてついつい饒舌になる私は実に単純だ。さっきまで紗希に言われたことをあんなにも気にしていたのに、今やミルフィーユのことで頭がいっぱいなのだから。
「そうか。俺もケーキの中でミルフィーユが一番好きなんだ。というか、甘い物は全般苦手だが何故かミルフィーユだけはうまいと感じる」
「そうなんですか?」