お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
普段まったく自分のことを語らない薫さんがそんなことを言って柔らかく笑う。ミルフィーユを好きだという意外な共通点に、胸の奥が少しこそばゆく感じた。
同居生活を始めてから初めて薫さんの話を聞いた気がする。性格は真逆だし考え方も価値観もまるで合わないと思っていたが、少し向き合えば意外な共通点があったりするものなのだな、と思った。
ミルフィーユに向いていたベクトルが再び、目の前の薫さんへと移り始める。それにしても淡々とミルフィーユを食べる姿も凛としていて絵になると感心してしまう。
「さっきからこちらを気にしているように見えるが、俺の顔になにかついているのか?」
「え?」
私のあからさまな態度は目の前に座る薫さんにバレていたことを知り、顔が真っ赤に染まっていき思わず俯く。
「どうしたんだ?」
「いえ、なんでもありません」
そう答える私の前にひとつの影が落ちた。反射的に顔を上げれば、そこには悪戯な笑みを浮かべ私を見下ろす薫さんの姿がある。
同居生活を始めてから初めて薫さんの話を聞いた気がする。性格は真逆だし考え方も価値観もまるで合わないと思っていたが、少し向き合えば意外な共通点があったりするものなのだな、と思った。
ミルフィーユに向いていたベクトルが再び、目の前の薫さんへと移り始める。それにしても淡々とミルフィーユを食べる姿も凛としていて絵になると感心してしまう。
「さっきからこちらを気にしているように見えるが、俺の顔になにかついているのか?」
「え?」
私のあからさまな態度は目の前に座る薫さんにバレていたことを知り、顔が真っ赤に染まっていき思わず俯く。
「どうしたんだ?」
「いえ、なんでもありません」
そう答える私の前にひとつの影が落ちた。反射的に顔を上げれば、そこには悪戯な笑みを浮かべ私を見下ろす薫さんの姿がある。