お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
シャテルドンで乾杯をして、運ばれてきたアミューズを食べ出した。

旬の彩り野菜のエチュベ、サーモンとアボガドのタルタル、そして肉厚なほたてのポワレ。

冷と温が一度に楽しめる上品な逸品で、その盛り付けもスタイリッシュでシェフのセンスの良さが窺える。

次々に運ばれてくる料理。今まで食べたことのない食材が使われていたり、斬新な調理法で作られていたりして、とても新鮮でワクワクが止まらなかった。

「すごく美味しいです」

「ならばよかった。ここの料理はどれも芸術品のように見た目も味も素晴らしいから、一度美月を連れて来たいと思っていたんだ」

「素敵な場所に連れて来てくださってありがとうございます」

素直にそんな言葉が漏れた。なぜかその日は心が穏やかで心の底から薫さんとの食事を楽しめた気がする。

病院で見た薫さんの意外な一面に少しだけ彼を見る目が変わり、親近感が沸いたからかもしれない。
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