お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「具合が悪そうだな。身体を横にしたらどうだ?


「でも……」

「身体を横にしながらでも話はできるだろう」

薫さんがそう言ってベッド横の椅子に腰を下ろした。

「それではすみませんが、お言葉に甘えてそうさせてもらいます」

気持ち悪さに耐えられず、身体を横にする。すぐにバチッと薫さんと目が合って胸がトクンッと高鳴った。

「まったく手がかかる女だな。あまり心配をかけるな。隙がありすぎるからアルコールを飲まされるは、ホテルに連れ込まれることになるんだ」

「……すみません」

刺々しい言葉とは裏腹に口調は穏やかでその表情は優しい。こないだみたいな不機嫌な様子は見られなくて、壊れ物に触れるみたいに私の頰をそっと撫でた。

薫さんの言葉を聞いて、やはり昨日私をここに連れて来たのは名波先生だったのだと確信した。そしていろいろと事情を知っている薫さんの口ぶりになんだか気まずくなり、視線を下に落とす。
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