キス仲



「や、でもさっきは慰めるためって言ったじゃん!」

「それはあずきが俺の事を男として見てる確信がないからそう言ったんだ。この関係を壊したくなかったから。だからずっと告白も出来ずに幼なじみやってた」


何だ、もっと早く伝えておけばよかった。


「じゃあ私たちこれからどうするの」

「決まってんだろ」


唯人が1歩前に進んだせいで、私との距離が短くなった。


思わず後ずさりすると、ちょっとムッとした顔でまた1歩進んできた。


「逃げんな」

「お、思わず」


トンっ


後ろはもう、壁。


逃げ場はない。


というか、逃げる理由もない。



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