キス仲
「もう絶対離さないから」
そう言って両手を壁に付いてまるで私を逃すまいというような、
「は、離れるわけないし」
「俺の彼女だから。」
「っうん。」
待って、近い。
ちょっと背伸びすれば唇に届く距離だ。
「ちゃんと好きって言って」
「〜っ、唯人大好きだよ」
「やば」
少し赤くなっている顔を傾け、私の唇に触れた。
……んっ?!
いつものようなキスじゃない。
なんだか、余裕がなさそうなキス。
でもちょっと甘すぎて、息がもたない…っ
「ん、待っ…て」
「むり」
バシバシッ
と、私は必死に唯人の肩を叩く。
「んん、苦しい…っ」
「もー」
なんて言いながらもやっと離してくれた。
かなり名残惜しそう。