本当にそれでいいですか?
途端青ざめて泣きそうになった姿を見届けて私は葛西さんとお義母さんに向け頭を下げた。そして最後振り返ることなくその場を静かに後にした。
外に出た瞬間やっと終わったと開放的な気持ちになった。
もう何の未練もないため清々しい気持ちがフワッと足の爪先から後頭部まで一気に広がった。
彩佳と二人、心機一転新しい家で優雅な暮らしが待っている。
それを思うとこの先の人生がキラキラとしたものに思えてくる。
私の未来は今この瞬間、再び輝きを取り戻したのだ。